† Digital Crusader - Love Crusader - 舞台設定


20世紀初頭、アメリカ某州。

資本主義・工業主義の完成系を成しつつあった都心の喧騒とは裏腹に、
郊外では未だ民間レベルの魔女裁判が開かれるような。
魔術文明から機械文明への過渡期にあった混沌の時代。

小さな農村・サニーデンの小高い丘の上に建つクランベル修道院では、
敬虔な修道士たちが日夜、信仰の道に勤しんでいた。

そこに身を置く若き修道士アリマが手にするトランクには、
おおよそ宗教家に似つかわしくないものが詰められている。

十連の弾倉を持つ、少年の片手に余るショットガン。
テンコマンドメンツ 〜 "十の戒め"を意味するその銃には、
神に身を捧ぐ修道士の持つ、もう一つの側面が隠されていた。


汽車を乗り継ぎ、目的の場所にたどり着いた頃には、
修道士の丸い帽子では隠しきれない、
赤い髪の毛をしっとり湿らす小雨が降っていた。

悪霊の住まう呪いの無限ホテル・アルベルト
今日の彼に架せられた使命は、
この廃ホテルの調査と、可能であればその元凶を祓うこと。

悪魔祓い。それが彼の持つ秘密と能力。

彼はテンコマンドメンツに銀の銃弾を詰めながら、
聖書の福音を唱えはじめた。
そうすることによって、これは退魔の力となるのだ。

小さく深呼吸をして、
彼は廃ホテルの玄関扉〜ひどく錆びついている〜を開け放った。
精悍なその顔が作り出すのは、彼の性格をよく表している不敵な笑顔。


悪霊なんて、いつも通り派手に暴れて蹴散らせばいいだけだろ。楽勝だぜ。